甲状腺の働き
甲状腺は、のどぼとけの下(頸部前面)にある蝶が羽を広げたような形をした臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは、全身の細胞に作用し、成長・発育、エネルギー代謝や心臓の働きを調節します。
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甲状腺は、のどぼとけの下(頸部前面)にある蝶が羽を広げたような形をした臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは、全身の細胞に作用し、成長・発育、エネルギー代謝や心臓の働きを調節します。
検査は血液検査と甲状腺エコー検査が基本になります。
甲状腺の異常は血液検査で簡単に見つけることができます。
甲状腺の病気は心臓病、神経・精神疾患、更年期症状などと症状が似ているため間違えられることがあります。頻度の高い甲状腺疾患には、バセドウ病、橋本病、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、甲状腺腫瘍があります。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、甲状腺機能が亢進する病気です。
バセドウ病は20〜30代の女性に多くみられます。
甲状腺に慢性的に炎症が起こる病気で慢性甲状腺炎とも呼ばれます。
自己免疫性疾患の一つで、炎症の結果、甲状腺ホルモンのバランスが悪くなる場合があります。
成人女性の約7~8人に1人が橋本病の素質をもっています。
甲状腺の痛みや発熱を伴い、甲状腺に炎症が起こる病気です。
亜急性甲状腺炎は、男性より女性に多く、30~40歳代の女性に多く発症します。
無痛性甲状腺炎は何らかの原因によって甲状腺の細胞が壊れ、甲状腺に貯められていた甲状腺ホルモンが血中に漏れ出ることで、一時的に甲状腺ホルモンが増加する病気です。
甲状腺に1~数個のしこり(結節)ができる病気です。首のしこりや腫れを自覚したり、他人から首の腫れを指摘されたりする場合もあれば、超音波検査による健診で偶然発見される場合もあります。これは本当の腫瘍ではなくて医学用語では過形成といわれるものです。
甲状腺癌の8割以上を占めるのが乳頭癌です。
原因はまだ不明で、症状がないことが多いです。乳頭癌は進行が遅く、治りやすいものが多いのが大きな特徴です。
甲状腺機能亢進症および甲状腺機能低下症においては、以前から妊娠の成立に大きな影響を及ぼすことが明らかにされています。最近注目を集めているのが、潜在性甲状腺機能低下症と不妊の関係です。
潜在性甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモン(FT4)の量は基準範囲内ですが、甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が基準上限を超える病態をいいます。
潜在性甲状腺機能低下症でも不妊・流早産率が高く、これらの異常はサイロキシン治療で改善できることが世界のトピックスになっています。
不妊女性における潜在性甲状腺機能低下症の出現頻度は平均で11.7%であり、不妊女性の10人の1人がこの病態を合併しています。
【「産婦人科治療」vol.102増刊(2011.4)】
甲状腺が正常に働いているかどうかの目安は、ホルモン量のバランスです。
気になる症状のある方は、専門医のもとで血液検査を受けられることをおすすめします。