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肛門まわりがかゆくて困っているけれど、何科に行けばいいのか分からない…。そんな不安を抱えたまま、つい我慢してしまっている方も多いのではないでしょうか。
「肛門のかゆみ=肛門科」というイメージがあるかもしれませんが、実際には皮膚のトラブルが原因のことが多く、皮膚科での診察・治療が適している場合もあります。
この記事では、大阪市内で肛門まわりのかゆみにお悩みの方へ向けて、正しい診療科の選び方と早期受診の重要性について、わかりやすくご説明します。
肛門のかゆみ、その原因は?
肛門周囲のかゆみは、日常生活の何気ない習慣や環境によって引き起こされることが多く、次のような原因が考えられます。
● ウオシュレットや強い拭きすぎ
「清潔にしなければ」と思って強くこすったり、ウオシュレットを高圧で使用したりしていませんか?
実はこの行為が、肛門の皮膚にダメージを与え、乾燥や炎症の原因になることがあります。
● 肌の乾燥や洗いすぎによるバリア機能の低下
肛門のまわりの皮膚はとてもデリケートです。洗いすぎや乾燥が続くと、皮膚のバリア機能が弱まり、かゆみやヒリヒリ感につながります。
● 細菌やカビによる感染
傷ついた皮膚に細菌や真菌(カビ)が入り込むと、かゆみや赤みを伴う皮膚炎を引き起こすこともあります。
皮膚科を受診した方がいいケース
以下のような症状がある場合は、まず皮膚科の受診をおすすめします。
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強いかゆみが続く
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皮膚が赤くなっている、ただれている
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ウオシュレットや拭きすぎで悪化している気がする
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保湿や市販薬で改善しない
皮膚科では、乾燥や炎症を抑える薬の処方に加えて、スキンケアの指導も受けることができます。かゆみの原因がカビや細菌だった場合も、適切な抗真菌薬や抗生物質を使用することで早期改善が見込めます。
肛門科を受診すべきタイミングとは?
一方で、以下のような症状がある場合は、肛門科(または肛門外科)の受診が必要です。
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いぼ痔や切れ痔の症状がある
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排便時に出血する
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肛門にしこりや腫れを感じる
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膿が出る、熱っぽい
これらは皮膚の問題ではなく、痔や肛門周囲膿瘍などの肛門疾患が疑われます。肛門科では、こうした症状に対する専門的な診察と治療が行われます。
迷ったら、まず皮膚科へ。必要に応じて肛門科へ
当院でも、肛門まわりのかゆみで受診される方の多くが、実は皮膚のトラブルであることが分かっています。ウオシュレットの使いすぎや、トイレットペーパーによる刺激が主な原因となっていることが多いのです。
かゆみの原因が皮膚にあるのか、肛門にあるのかは、患者さんご自身では判断が難しいことも。そんなときは、まず皮膚科で診てもらい、必要に応じて肛門科を受診してください。