憩室出血
憩室出血
憩室出血とは、大腸の壁にできた小さな袋状の構造(憩室)が破れて出血する状態を指します。大腸憩室は、特に加齢とともに増加しやすく、40歳以上の成人の多くに見られますが、通常は無症状です。しかし、憩室が炎症を起こしたり、血管が損傷することで出血が発生することがあります。
憩室出血は突発的に起こることが多く、大量出血を伴う場合もあるため、迅速な対応が求められることがあります。
憩室出血の症状は、出血の量や範囲によって異なりますが、以下のような兆候が一般的です。
症状の進行が早い場合や、大量出血が疑われる場合は、早急に医療機関を受診する必要があります。
憩室出血の原因としては、以下のような要因が挙げられます。
憩室が形成される際、大腸の血管が圧迫されたり伸びたりして、破れやすい状態になることがあります。その結果、血管が破裂して出血します。
便秘や強いいきみによって腸内圧が上昇し、憩室の血管が損傷することがあります。
憩室に便がたまり、炎症が起こることで血管が弱まり、出血する場合があります。
これらの要因に加えて、高齢者や便秘傾向のある方では憩室出血のリスクが高まる傾向があります。
憩室出血の診断には、まず患者様の症状や出血の程度を評価し、以下の検査を行います。
出血の量や貧血の有無を確認します。また、感染や炎症の有無を調べるための検査も実施します。
出血の原因となる憩室の場所を特定するため、内視鏡を用いて大腸全体を詳しく観察します。出血が止まらない場合には、この検査中に止血処置を行うことも可能です。
内視鏡で確認が難しい場合や出血部位が特定できない場合には、CT検査を行い、血管造影で出血源を探します。