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胃カメラ検査前の食事で気をつけること
こんにちは。大阪駅近くの【おおたきく子クリニック】です。
当院では、内視鏡の専門医による「胃カメラ検査(胃内視鏡)」を行っています。
胃がんや胃潰瘍などの早期発見に欠かせない検査ですが、実は「検査前の食事」によって、結果の正確さや検査のスムーズさが大きく左右されることをご存じでしょうか?
今回は、**「胃カメラ検査前の飲食の注意点」**について、はじめて検査を受ける方にもわかりやすくご説明します。
■ 胃カメラの前に食事制限が必要な理由
胃カメラは、口から細いスコープを入れて胃の中を直接観察し、がんや潰瘍、炎症などの病変を見つける検査です。
この検査が正しく行われるためには、胃の中がきれいに空っぽの状態であることが大前提です。
◎ 食べ物が残っていると見えにくい
胃の中に食べ物が残っていると、スコープでの観察が妨げられ、小さな異常を見逃してしまうリスクがあります。
また、牛乳やジュース、コーヒーといった「色のついた飲み物」も、胃の壁の色と重なって見えづらくなるため、検査前は避けるべきです。
◎ 嘔吐・誤嚥のリスク
胃の中に食べ物がある状態でスコープを入れると、**嘔吐や誤嚥(食べ物が気道に入ること)**のリスクが高まり、危険を伴う場合があります。
とくに高齢の方は注意が必要です。
◎ 検査の精度とスピードに影響
胃の中が空っぽであれば、短時間で、かつ正確に検査を終えることができます。
逆に、消化しにくいものが残っていると、観察に時間がかかるだけでなく、検査自体が中止になることもあるため注意が必要です。
■ いつから食事に気をつける?
胃カメラ検査の準備としては、検査2日前から食事内容を少しずつ調整し、前日の夕食は消化のよいものを軽めにすることをおすすめします。
そして**検査当日は、絶食(水のみOK)**が原則です。
■ 検査前に避けたい食事・飲み物一覧
以下は、胃に残りやすく、検査を妨げやすい食材です。検査前日には避けるようにしましょう。
【避けたほうがよい食べ物】
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根菜類(にんじん、ごぼう、れんこんなど)
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きのこ類
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ワカメや海藻類
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雑穀米・玄米
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玉ねぎ・鍋の具材全般(消化に時間がかかります)
【避けたほうがよい飲み物】
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牛乳
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コーヒー
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フルーツジュース
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スムージーなど繊維が多く色の濃い飲料
■ 当日うっかり食べてしまったら?
「うっかり朝食を食べてしまった…」
そんな場合は、必ず事前にクリニックへご連絡ください。
食事の内容によっては、検査の安全性が保てず、中止や日程変更になる可能性があります。
実際に、味噌汁の具やきのこ、野菜などが胃の中に残っていたことで、検査ができなかった例もあります。
■ 正しい食事で、より良い検査結果を
せっかく胃カメラ検査を受けるのであれば、少しの準備で「正確で、苦痛の少ない検査」になるよう整えておくことが大切です。
検査の数日前から食事内容に気を配り、当日はしっかり絶食を守ることで、検査もスムーズに終えることができます。
■ よくあるご質問(Q&A)
Q. 水やお茶は飲んでいいの?
A. 検査当日の朝は、透明な水のみOKです。お茶やスポーツドリンクは避けてください。
Q. 常用薬は飲んでいい?
A. お薬の種類によりますので、事前に医師へご相談ください。場合によっては検査前に服用するタイミングを調整します。
■ 検査について不安な方へ
当院では、日本消化器内視鏡学会専門医が、患者さま一人ひとりの状態に合わせて丁寧にご案内しています。
「胃カメラが初めてで不安…」「食事のことがよくわからない」など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
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参考文献
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日本消化器内視鏡学会「上部消化管内視鏡検査に関するガイドライン」
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厚生労働省 e-ヘルスネット「胃がん検診について」