便秘とは、排便が困難だったり、通常よりも排便の頻度が少なくなったりする状態を指します。医学的には「3日以上排便がない」場合や、「毎日排便があっても排便時に苦痛がある」場合を便秘と定義することがあります。

便秘は一時的なものから慢性的なものまでさまざまで、多くの方が経験する一般的な健康問題ですが、原因や症状の背景にはさまざまな要因が隠れている可能性があります。

便秘の症状は、個人によって異なりますが、以下のような兆候が一般的です。

主な症状

1. 排便の頻度が少ない
   通常の排便頻度が減少し、3日以上排便がないことがあります。
2. 便が硬い
   排便時に硬く乾燥した便が出ることが多いです。
3. 排便時の痛み
   肛門に痛みを感じることがあります。場合によっては痔の原因にもなります。
4. 残便感
   排便後もすっきりしない感覚が残る場合があります。
5. 腹部の張り
   お腹が張ったような感覚や、不快感を伴うことがあります。

慢性的な便秘が続くと、生活の質が低下するだけでなく、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

便秘の原因は多岐にわたり、生活習慣や身体的要因が大きく関与しています。以下に主な原因を挙げます。

1. 食生活の乱れ

• 食物繊維の不足
• 水分摂取量の不足
• 高脂肪・高カロリーな食事

2. 運動不足

運動不足により腸の動きが低下し、便の移動が遅くなることがあります。

3. 排便習慣の乱れ

トイレを我慢することや、不規則な生活リズムが便秘の原因となることがあります。

4. ストレス

精神的なストレスが腸の動きに影響を与え、便秘を引き起こす場合があります。

5. 病気や薬の影響

• 過敏性腸症候群
• 糖尿病や甲状腺機能低下症などの全身疾患
• 一部の薬剤（鎮痛薬、抗うつ薬、降圧薬など）

便秘の原因を特定し、適切な治療を行うためには、いくつかの検査を実施します。

問診

症状の詳細や生活習慣、既往歴について伺い、便秘のタイプを特定します。

便の状態の観察

便の形状や色、硬さを確認することで、便秘の原因を推測します。

血液検査

全身疾患の有無や炎症の有無を確認します。

腹部X線・CT検査

腸内のガスや便の状態を評価します。慢性的な便秘の場合、大腸の病変がないかを調べるために行うことがあります。

大腸内視鏡検査

特に高齢者や長期間便秘が続く場合、大腸がんや腸閉塞などの疾患を除外するために実施します。