下痢は、通常よりも水分を多く含む軟便や液状便が増えたり、排便の回数が増加した状態を指します。健康な人でも一時的に発生することがありますが、長期間続く場合や頻度が高い場合は、何らかの病気が原因となっている可能性があります。

下痢には急性と慢性のタイプがあります。急性下痢は主に感染症が原因となる一過性の症状であることが多く、慢性下痢は腸の病気や生活習慣に起因する場合があります。適切な対応を行うことで、症状を改善し、原因を取り除くことが可能です。

下痢に伴う症状は、原因や重症度によって異なりますが、以下のような症状が見られることが一般的です。

主な症状

1. 頻繁な排便
   1日に3回以上の排便が続く場合は、下痢の可能性があります。
2. 便の性状の変化
   水様便や軟便が多く見られるようになります。
3. 腹痛
   特に排便の前後に腹部の痛みを感じることがよくあります。

伴うことのある症状

• 発熱
• 吐き気や嘔吐
• 倦怠感
• 脱水症状（口渇、めまい、尿量の減少など）

これらの症状が重篤化する場合は、早急に医療機関を受診することが必要です。

下痢の原因は多岐にわたります。急性の下痢と慢性の下痢では、その原因が異なることが一般的です。

1. 急性下痢の原因

• 感染症
  ウイルスや細菌による腸炎が主な原因です。ノロウイルスやロタウイルス、大腸菌、サルモネラ菌などが代表的です。
• 食事の影響
  腐敗した食品や水分の摂取による食中毒が該当します。
• 薬剤性
  抗生物質の副作用として発症することがあります。

2. 慢性下痢の原因

• 過敏性腸症候群（IBS）
  ストレスや食事の影響で腸の運動が異常をきたす病気です。
• 炎症性腸疾患
  潰瘍性大腸炎やクローン病など、腸管に慢性的な炎症が起こる疾患です。
• 消化吸収不良
  乳糖不耐症やセリアック病（グルテン過敏症）などが原因となる場合があります。
• 内分泌の異常
  糖尿病や甲状腺機能亢進症などの疾患が影響することがあります。

下痢の原因を特定するためには、以下の検査が必要になることがあります。

問診

• 症状の詳細（持続期間、排便回数、便の性状）
• 食事や薬の使用状況
• 海外渡航歴や感染症の可能性

血液検査

炎症や脱水の程度を確認し、感染や他の病気の可能性を調べます。

便検査

便中の血液や細菌、ウイルス、寄生虫の有無を調べます。

画像検査（腹部CT、エコー）

腸管の炎症や腫瘍の有無を確認します。

内視鏡検査

慢性下痢の場合、大腸内視鏡や胃カメラで腸内の状態を直接観察することがあります。