過敏性腸症候群
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)は、腸に構造的な異常がないにもかかわらず、腹痛やお腹の不快感とともに便通異常(下痢、便秘、またはその両方)が繰り返し現れる疾患です。ストレスや食事の影響を受けやすく、生活の質(QOL)に大きな影響を与えることがあります。
IBSは、比較的若い年齢層に多く見られ、特に20〜40代の方に発症しやすいとされています。当院では、患者様一人ひとりの症状に寄り添い、適切な診断と治療を行っています。
IBSの症状は多岐にわたり、人によって異なります。以下のような症状が特徴的です。
これらの症状が数週間以上続く場合、IBSの可能性があるため、専門医への受診をおすすめします。
IBSの明確な原因は特定されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
腸の神経が過敏になることで、通常では感じない刺激に反応しやすくなる状態がIBSの症状を引き起こします。
精神的なストレスや不安が腸の動きを乱し、症状を悪化させることがあります。ストレスはIBSの発症や悪化に大きな影響を与えるため、心身のケアが重要です。
腸内細菌のバランスが崩れると、腸の動きやガスの産生に影響を及ぼし、IBSの症状を引き起こすことがあります。
特定の食品や飲み物(乳製品、脂肪分の多い食品、アルコールなど)が症状を誘発することがあります。食生活の見直しが症状改善に役立つ場合があります。
IBSの診断は、主に患者様の症状と病歴に基づいて行われます。ただし、他の疾患を除外するために、以下のような検査が必要になる場合があります。
腹痛や便通異常の頻度、生活習慣、ストレスの有無などを詳しく伺います。
炎症性腸疾患や感染症など、他の病気を除外するための検査です。
便に血液や感染症の兆候がないかを確認します。
大腸ポリープやがんなどの器質的疾患を排除するため、大腸内視鏡検査が行われることがあります。
当院では、患者様の負担を最小限に抑えつつ、正確な診断を提供します。