潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は、大腸の内側を覆う粘膜が炎症を起こし、潰瘍(かいよう)やびらん(浅い傷)が生じる慢性の炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory Bowel Disease)です。主に大腸全体、特に直腸に炎症が広がることが多く、症状は繰り返し悪化(再燃)と改善(寛解)を繰り返します。
日本では指定難病に指定されており、発症原因は完全には解明されていませんが、適切な治療を受けることで症状を管理し、日常生活を送ることが可能です。
潰瘍性大腸炎の症状は、炎症の範囲や重症度によって異なります。代表的な症状は以下の通りです。
これらの症状が数週間以上続く場合は、潰瘍性大腸炎の可能性があるため、早めの受診が推奨されます。
潰瘍性大腸炎の発症原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
免疫システムが腸の正常な粘膜を攻撃してしまうことで炎症が起こるとされています。これは自己免疫疾患の一つと考えられます。
家族に潰瘍性大腸炎や他の炎症性腸疾患の既往がある場合、発症リスクが高まる可能性があります。
ストレスや食生活の変化、腸内細菌のバランスの乱れが症状の引き金となる場合があります。
潰瘍性大腸炎の診断には、症状の確認とともに、さまざまな検査が必要です。当院では、迅速かつ正確な診断を行うために、以下の検査を実施しています。
炎症や貧血の程度を調べるための検査です。炎症性マーカーであるCRP値が上昇している場合、炎症性腸疾患の可能性が示唆されます。
便中に血液や白血球が含まれていないかを確認します。また、腸の感染症を除外するための検査も行います。
大腸全体を直接観察し、炎症の広がりや潰瘍の有無を確認します。必要に応じて粘膜の一部を採取し、病理検査を行います。
腸全体の炎症の程度や、合併症の有無を確認するための補助的な検査です。