バセドウ病
バセドウ病
バセドウ病は、甲状腺が過剰にホルモンを分泌することによって引き起こされる内分泌疾患です。甲状腺ホルモンが過剰になると、体の代謝が異常に高まり、さまざまな症状が現れます。バセドウ病は特に若年層に多く、女性に多く見られる疾患です。適切な治療を行わないと、心臓や目に深刻な影響を及ぼすことがあります。
バセドウ病の主な原因は、自己免疫疾患です。免疫系が甲状腺を誤って攻撃し、過剰なホルモン分泌を促進します。以下の要因がリスクを高めることがあります。
バセドウ病は、遺伝的な要因が影響することがあります。家族にバセドウ病や他の自己免疫疾患の患者がいる場合、発症リスクが高くなります。
女性ホルモンの影響を受けやすいため、バセドウ病は女性に多く見られます。特に妊娠や出産後に発症することがあります。
精神的、肉体的なストレスが過剰なホルモン分泌を引き起こす可能性があり、これがバセドウ病の引き金となることがあります。
喫煙がバセドウ病の発症を促進するという研究結果もあり、特に目の症状(眼症状)のリスクが高くなると言われています。
バセドウ病の症状は、過剰な甲状腺ホルモンの影響で体の代謝が異常に高くなることにより、以下のような症状が現れます。
食欲が増しているにも関わらず、体重が減少することが一般的です。代謝が異常に高くなるため、エネルギー消費が増加します。
心拍数が速くなり、動悸を感じることがあります。特に安静時でも心拍数が高い場合、注意が必要です。
過剰な甲状腺ホルモンにより、手の震え(手指の振戦)が見られることがあります。
発汗が異常に増え、特に夜間の寝汗が多くなることがあります。
疲れやすく、日中に眠気を感じることが多くなる一方で、夜間は眠れなくなることもあります。
眼症状が現れることがあります。目が突き出るように見えたり、目の乾燥感や痛みを感じることがあります。
バセドウ病の診断は、以下の検査を通じて行われます。
血液検査では、甲状腺ホルモンのレベルを測定します。特に、**TSH(甲状腺刺激ホルモン)の低下、FT3(遊離三ヨードチロニン)とFT4(遊離サイロキシン)**の上昇が確認されることが診断の基準となります。
甲状腺の大きさや状態を確認するために、超音波検査が行われることがあります。甲状腺の腫れや結節の有無を調べます。
甲状腺がどれだけ活発にホルモンを生産しているかを評価するため、放射線 iodine を使った甲状腺スキャンを行うことがあります。
眼症状が見られる場合は、眼科的な検査が必要です。眼圧や視力、眼の動きに異常がないかを調べます。