ポリープ切除検査
ポリープ切除検査
大腸の管の表面は粘膜でできており、この粘膜の一部が出っ張っている球状のものをポリープといいます。多くは隆起しますが、平坦なものやキノコのように茎を持ったものなど形状は様々です。構造や組織により、腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分けられ、専門的にはさらに細かく分類されています。
腫瘍性ポリープ:腺腫・SSA/P・大腸がん
非腫瘍性ポリープ:過形成性ポリープ・炎症性ポリープ・過誤腫性ポリープ
腫瘍性ポリープは良性であっても大腸がんになる可能性があるため注意が必要です。
大腸がんは、最初からがんとして発生するパターンと、良性の腫瘍性ポリープ(大腸腺腫)が悪性化してがんになるパターンがあります。多くは後者によるもので、サイズが大きくなるほどがん化率が高まると考えられています。そのため発がんリスクのある腺腫を良性の時点で早めに切除することが大腸がんの予防につながります。
良性の腫瘍性ポリープである大腸腺腫は、治療せずに放置すると80%の確率で大腸がんに移行するといわれています。当院では、癌のもととなるポリープは検査時にその場で切除を行います。
大腸内視鏡検査の際に、同時にポリープの切除を行います。 しかし、2-3㎝以上のポリープが見つかった場合や持病があり、抗血小板薬や抗凝固薬などを内服している場合は入院での切除が望ましいため、高次医療機関へ紹介させていただきます。
大腸ポリープ診療ガイドライン2014には38種類のポリープが列挙されています。これらの診断にはポリープの形態や表面性状、色調、硬さはもちろん、表面の微細構造、腺管開口部などを拡大観察することで病変の深さや治療の必要性を判定できます。内視鏡で安全に治療できる病変か、手術が必要な病変ではないと常に考え、診断方法を駆使し、内視鏡診断を正確に行い、内視鏡治療に適した病変を安全に切除しています。
代表的なものは「ポリペクトミー」、「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」、「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」といわれるもので、これらは病変の形や大きさに応じて使い分けられます。
キノコのように茎があるタイプのポリープに用いられます。茎の部分にスネアという金属性の輪をかけて締め付け、そこに高周波電流を流して切除します。
平坦な状態で発生しているタイプのポリープに用いられます。粘膜の下に生理食塩水を注入してポリープ全体を持ち上げ、通電を行いながら、スネアを絞り上げて切除します。大腸ポリープの切除では、痛みを感じないことがほとんどです。
大きな病変や薬液で病変が持ち上がらないときなどに用いられます。粘膜の下に生理食塩水などの薬液を注入し、ポリープのできている粘膜を持ち上げたうえで専用の電気メスで周辺の粘膜を切開し、病変を少しずつ剥離して切除します。(入院での切除が望ましいため、高次医療機関へ紹介させていただきます。)
横スクロールでご確認いただけます。
便潜血検査 | 1割負担 | 3割負担 |
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大腸内視鏡検査 (観察のみ) |
約2,500円 | 約7,500円 |
大腸内視鏡検査 +生検※ |
約4,000円円 | 約11,000円 |
ポリープ切除 | 約8,000~10,000円 | 約24,000~30,000円円 |
※生検とは病変の組織を一部採取して、顕微鏡で確認する検査です
※上記費用に診察料、薬剤料などが別途かかります
大腸ポリープを切除した後、一番心配があるのは術後の出血です。そのため、切除からおよそ1週間程度、生活の中で出血を予防するために、幾つか活動に制限をさせていただいております。
切除当日は、シャワーを浴びる程度してください。翌日からは制限なく入浴していただけます。
切除当日から、普通の食事で問題ありませんが、激辛の香辛料などの刺激物や、脂肪分や
油分の多い料理は避けるようにしてください。
アルコールは血管を拡げる作用があり、出血のリスクが高まってしまいます。医師から指
示された日数は必ず禁酒してください。
激しい運動や、お腹に力が入り腹圧が上がるような運動は、医師から指示された日数は避
けてください。
旅行や出張については10日程度避けてください。さらに飛行機は気圧の関係で出血のリスクがありますので避けてください。予め日程が決まっている場合は、1週間以上前、または日程の後に大腸カメラ検査を入れるように予約を調整してください。急にどうしても外せない出張などが入ってしまった場合は、それ以降に予約を変更していただくか、検査だけ行い、ポリープが見つかった場合、後日切除するといった方法も可能です。
出血のリスクがあります。
おおよそ100~1000人に1人程度です。
切除の当日から10日間は飲酒や、心臓がドキドキするような激しい運動、
長時間の入浴などは控えて下さい。
出血のリスクを上昇させる要因としては
高血圧の方、腎機能が悪い方、心疾患をお持ちの方、ご高齢の方であること、
切除したポリープが1㎝以上の場合などです。
排便時にトイレットペーパーに血が付着した程度であれば問題ありませんが、
便器が真っ赤になるような出血があった際には、当院へご連絡下さい。